高圧対応クーラントホースの紹介と機能比較
COMINIX取り扱いメーカーの高圧クーラントホース
スイス式自動旋盤や、懐の狭い旋盤、
または干渉のある加工で
細かなニーズにお応えできるラインナップをご紹介します。
この記事の目次
この記事の目的
自動旋盤や懐の狭い旋盤では、限られた機内スペースでクーラントホースをどのようにレイアウトするか?で悩むことがよくあります。
寿命延長のために突っ切り・溝入れ加工や、外径加工で内部給油ホルダーの導入を検討したいのに、機械側の干渉で使用できなかったり、既に採用している内部給油ホルダー用ホースに機内のスペースを奪われていたり。
レイアウトの問題を解決して、いざホースを取り付けると、ホースのせいでチップ交換時にホルダーを外すことが非常に手間になるので、ワンタッチで外せるクイックチェンジ機構のホースが好まれます。でも既存のワンタッチ式はその機構のせいで継ぎ手自体が大きくなってしまい、ワークやサブスピンドルに干渉するので使えない...。
一つ問題を解決すると一つ問題が出てくる、そういった皆様へ向けた記事です。
外部給油vs内部給油の検証については、以前投稿したこちら(https://www.cominix.jp/tc/labo/idea/single-jetturn2.php)の
銅管給油vs刃先給油機構の記事をご覧ください
一般的な高圧対応クーラントホースについて、概説
一般的なクーラントホースは、ストレートタイプや90°アングルタイプのホースを、ぐるぐるぐるぐる回転させることでホルダーと機械に取り付けます。
ホースの長さ100mm~700mm、両端のネジ部はG1/8かUNF5/16、PT1/8で接続し、大きさはΦ20程度です。
テグテック・ウティリスの簡単取り付けアイテム
テグテックのイージーカップリングシステム
ホースのローレット部分を引くことでパチッと簡単にコネクターに接続することが出来るため、取り付けが非常に簡単です。これからは狭い機内でホルダーごとぐるぐるぐるぐるホースを回す必要はありません。
・14Mphまでの高圧に対応しています。
Cominix取り扱いメーカーのウティリスのクイックチェンジシステムも、テグテックと同様の機構です。
ホース、継ぎ手、クイックチェンジの各部品が独立しているため、様々な状況にフレキシブルに対応できます。記事後半の動画で、組み付け方法をご紹介します
既存のクイックチェンジホースとの違いは、大きさ
機内のレイアウトにおいて、クーラントホースがどの程度スペースを占有してしまうかは非常に重要な問題です。
国内工具メーカーにもクイックチェンジ機構付きホースはありますが(上段)、その機構のために、取り付け部から少なくとも80mm以上のスペースが必要となります。
ウティリス(中段)・テグテック(下段)は類似機構ですが非常にコンパクトな設計となっています。
クーラントホースがかさばると、小型~中型の自動旋盤の機種では内部給油ホルダ同士が隣接して使用できなかったり、サブスピンドルが干渉してしまうため突っ切りの内部給油ホルダに使用できない可能性があります。
実際の自動盤で解説します
国内工具メーカー製クイックチェンジホースを使用した場合のホースレイアウト突っ切りの内部給油ホルダーには、このクイックチェンジ機構のホースを使うことができませんが...
(基本的にホースは耐高圧仕様のため柔らかくないので、特に継ぎ手付近はこれ以上極端に曲げることができません)
テグテック・ウティリスなら継ぎ手(ヘッド部)がコンパクトな設計なので、サブスピンドルとの距離を余裕をもって確保できます
テグテックとウティリスのクイックチェンジホースの違いは?
取り付けの自由度とホースの長さに違いがありました。テグテックはストレート+90°アングルタイプのホースのみで取り付けもPT1/8ネジのみです。一方、ウティリスはホースと継ぎ手がそれぞれ別部品であるため、フレキシブルに様々な形状に変化させることができます。また、多くのネジ規格にも対応しています。
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テグテックのホースはストレート+90°アングルタイプのPT1/8のみをラインナップ。
ホースの長さは100~300mmクイックチェンジ側には各種コネクターがラインナップされています。
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ウティリスの機械側はストレートと90°タイプ。ネジも各規格がそろっています。
ホースの長さは100~500mmM5、G1/8、PT1/8、M5-M5など。
クイックチェンジ直結のホースもあります。
色々と特徴を見てきましたが、ご理解の助けになるよう、まとめてみました。
各製品の特徴・早見表
この記事の解説動画
クイックチェンジホース使ってみた & ウティリスのクイックチェンジホースの組み付け方法解説動画
本記事の解説動画です