経営方針
ものづくりに携わるすべての人々に寄り添うことで、
ものづくり産業の生産性向上と付加価値の向上を通じて、
社会に貢献してまいります。
投資家の皆様へ
株主および投資家の皆様におかれましては、平素より格別のご高配を賜り、厚くお礼申しあげます。また新たに株主となられた皆様にも重ねてお礼申しあげます。
当社は、1950年の設立以来、顧客の生産性向上に寄与することで社会の発展に寄与することを基本方針に掲げ、日本の中核産業であるものづくり産業の、その根幹に関わる切削工具と耐摩工具の販売に特化することで、ものづくり産業の発展に貢献してきました。
世界はこれまでにないスピードで大きく変わっており、当社の属する機械工具業界においても業界再編等の流れが加速化しております。Cominixグループでは、日本各地に開設している営業拠点に加えて、世界各国にも営業拠点を拡充しCominixグループ全体でのグローバル展開を加速させ、今後も時代の先端を切り拓き、『ものづくりに携わるすべての人々に寄り添い、世界に「できる」を生み出す。』を存在意義として、イノベーションを巻き起こすことで社会課題の解決と持続可能な地域社会へ貢献できる企業となるよう、役員はじめ社員一丸となって一層精励して参ります。
皆さまにおかれましては、今後とも、より一層のご指導ご鞭撻を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。
2023年6月
代表取締役社長執行役員
経営陣のご紹介
代表取締役会長 | 柳川 重昌 | 1947年3月10日生 |
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代表取締役社長執行役員 | 柳川 修一 | 1978年11月3日生 |
取締役専務執行役員 海外事業部 事業部長 |
田中 秀樹 | 1964年11月11日生 |
取締役常務執行役員 | 澤口 典宏 | 1967年6月28日生 |
取締役常務執行役員 管理本部長 |
林 祐介 | 1978年3月23日生 |
取締役上席執行役員 第一営業本部長 |
渡部 哲郎 | 1967年8月22日生 |
社外取締役 | 市川 直 | 1946年7月13日生 |
社外取締役 | 森 常徳 | 1952年7月13日生 |
監査役 監査等委員(常勤) | 東 伸裕 | 1961年5月5日生 |
社外監査役 監査等委員 | 明松 優 | 1953年8月11日生 |
社外監査役 監査等委員 | 新井 信彦 | 1946年11月3日生 |
コーポレートガバナンス
「コーポレートガバナンスの基本方針」
当社は、公正な事業活動を通して、「社会に貢献し、社会の発展に寄与してこそ本当の事業である」という経営理念の実現を経営の基本方針としております。この基本方針を堅持しつつ、事業の発展並びに企業価値の向上を図るために、経営全般の効率性とスピードの向上に取り組むとともに、経営の意思決定や執行における適法性・妥当性・透明性を確保した経営管理組織の整備を進め、また、これらを監視・是正していく社内システムの更なる強化に努めております。
コーポレートガバナンス・コードへの対応
コーポレートガバナンス・コードの各原則に基づく開示事項を記載いたします。
コーポレートガバナンス・コードの各原則を実施しない理由
補充原則1-2-4「議決権の電子行使を可能とするための環境作りや招集通知の英訳」
当社では、現状の株主の皆様に占める機関投資家や海外投資家の比率等を考慮し、現時点においては、議決権電子行使プラットフォームの利用や招集通知の英訳は行っておりません。今後は、機関投資家や海外投資家の比率等を勘案の上、議決権電子行使プラットフォームの利用や招集通知の英訳等を検討してまいります。
補充原則2-4-1「中核人材の登用等における多様性の確保」
当社では、多様性の確保については、能力や適性など総合的に判断する管理職登用制度により、性別・国籍や採用ルートによらず登用しておりますが、従業員に占める女性・外国人・中途採用者の比率が大きくないため、現時点では測定可能な数値目標を定めるには至っておりません。今後は、サスティナビリティ推進会議にて、引き続き多様性の確保に向けた施策を推進してまいります。
補充原則3-1-3「サステナビリティについての情報開示の充実」
当社では、2021年12月にサスティナビリティ基本方針・推進体制を制定し、環境マネジメントシステム「エコアクション21」の取得をはじめとして、当社のサスティナビリティ経営と直結させ、持続可能な社会と持続的グループの成長の両立に貢献できる様な各種取組みを推進しております。
今後は、これらの取り組み状況をホームページやIR資料等での公開を検討してまいります。
補充原則4-2-1「持続的な成長に向けた健全なインセンティブとしての経営陣の報酬」
当社の取締役の報酬は、現金による月額定額報酬と業績連動報酬を基本としており、自社株報酬制度は採用しておりません。今後は、当社経営状況、報酬制度の動向、社会的要請などを鑑み、自社株報酬制度の採否について検討してまいります。
原則4-8「独立社外取締役の有効な活用」
当社の取締役会は取締役8名で構成されており、そのうち2名が独立社外取締役であります。当社の独立社外取締役は、専門的な知識と経営者としての豊富な経験から、当社の経営の監督とコーポレート・ガバナンスの強化に寄与しており、独立社外取締役としての役割・責務を果たしています。現時点では独立社外取締役の3分の1以上の選任をしておりませんが、現状においても十分に経営の適正性は確保されているものと判断しています。
補充原則4-11-1「取締役会の全体としての知識等のバランス、多様性・規模に関する考え方、取締役の選任に関する方針・手続」
当社の取締役会は、取締役会の全体としての知識・経験・能力のバランス・多様性について、営業・業務・管理部門に精通しその知識・経験・能力を有する取締役と経営者として豊富な経験と幅広い見識を有する社外取締役で構成することとしております。
取締役会の実効性のさらなる向上と構成バランスを可視化できるよう、今後、独立社外取締役を含めたスキルマトリックスを作成し、開示することを検討してまいります。
原則5-2-1「経営戦略や経営計画の策定・公表」
事業ポートフォリオに関する基本的な方針や事業ポートフォリオの見直しの状況につきましては、取締役会での議論の上、次期中期経営計画において示す予定です。なお、事業ポートフォリオに関する基本的な方針は、今後策定を進めてまいります。
コーポレートガバナンス・コードの各原則に基づく開示
原則1-4「政策保有株式」
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政策保有株式に関する方針
当社は、取引先との良好な取引関係を構築し事業の円滑な推進を図る目的のみに限定して、政策保有株式を保有しております。取締役会は毎年、個別の政策保有株式について中長期的な経済合理性等を検証し、継続して保有する必要がないと判断した株式の売却を進めるなど、政策保有株式の縮減に努める方針であります。
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政策保有株式に係る議決権の行使について適切な対応を確保するための基準
当社は、政策保有株式の議決権行使について、当該企業の価値向上につながるか、当社の企業価値を毀損させる可能性がないかという議決権行使基準に基づき個別に精査した上で、議案への賛否を判断しております。
原則1-7「関連当事者間の取引」
当社は、原則として、関連当事者取引は行わない方針です。しかし、業務の遂行に必要な経費を補助する等の取引が関連当事者取引等に該当する場合には、取引条件の妥当性、当該取引の合理性(事業上の必要性)等を慎重に審査したうえで、取締役会の承認を得ることとしており、監査役に適時に報告することで取引の適性性を確保しております。
また、関連当事者取引を把握する方法として、毎年定期的に役員へ関連当事者との取引に関する調査を実施するほか、関連当事者リストと会計帳簿を照合し関連当事者取引の有無の確認等を行っております。
原則2-6「企業年金のアセットオーナーとしての機能発揮」
当社では確定給付企業年金と確定拠出企業年金を併用で運用しております。
確定給付企業年金に係る積立金の運用が従業員の安定的な資産形成に加えて当社の財政状態にも影響を与えることを踏まえ、企業年金担当部門が運用機関に対するモニタリング等の適切な活動を実施できるよう、必要な経験や資質を備えた人材を配置するとともに、その育成に努めております。また、確定拠出企業年金に係る積立金の運用は従業員自らが行っておりますが、従業員の資産形成に影響を与えること等も踏まえ、確定拠出年金の資産運用に関する従業員教育等に取り組んでいます。
原則3-1「情報開示の充実」
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(1)会社の目指すところ(経営理念等)や経営戦略、経営計画
当社は、経営理念や経営戦略、中期経営計画について、当社ホームページや決算説明会資料等において開示しております。
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(2)コーポレートガバナンスに関する基本的な考え方と基本方針
当社は、コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方と基本方針については、コーポレート・ガバナンスに関する報告書「1基本的な考え方」に記載しております。
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(3)取締役の報酬を決定するのに当たっての方針と手続き
取締役の報酬を決定するのに当たっての方針と手続きは、コーポレート・ガバナンスに関する報告書の「Ⅱ-1.機関構成・組織運営等に係る事項【取締役報酬関係】報酬の額又はその算定方法の決定方針の開示内容」に記載しております。
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(4)取締役会が経営陣幹部の選解任と取締役・監査役候補の指名を行うに当たっての方針と手続
当社は、取締役候補者の指名について、営業・業務・管理部門に精通しその知識・経験・能力を有する者を取締役候補者として、また、経営者として豊富な経験と幅広い見識を有する者を社外取締役候補者として指名することとしております。決定する手続きについては、取締役会において、各取締役から推薦を受け、取締役候補者を決定しております。取締役の解任については、職務執行における法令・定款違反行為、心身の故障、著しい能力不足、担当部門の業績に対する責任等を勘案のうえ、社外取締役の意見を踏まえ、取締役会で株主総会議案として承認のうえ、株主総会で決議することとしております。
また、監査役候補者の指名について、監査役としての適格性を考慮し、業務執行者からの独立性が確保できるか等を勘案して、監査役候補者を指名することとしております。また、少なくとも1名は財務・会計に十分な知見を有する者を指名することとしております。決定する手続きについては、監査役会における同意を得たうえで、取締役会において、各取締役から推薦を受け、監査役候補者を決定しております。監査役の解任につい ては、職務執行における法令・定款違反行為、心身の故障、著しい能力不足等を勘案のうえ、社外取締役並びに各監査役の意見を踏まえ、取締役会で株主総会議案として承認のうえ、株主総会で決議することとしております。 -
(5)取締役・監査役候補者の指名を行う際の、個々の選任・指名についての説明
当社は、株主総会において取締役・監査役候補者を提案する場合には、招集通知の参考書類において当該候補者の選任理由を開示しております。
補充原則3-1-2「英語での情報開示・提供」
当社は、海外に向けた情報発信の観点から、決算短信の英語版を作成し、情報の開示・提供を行っております。
補充原則4-1-1「経営陣に対する委任の範囲」
当社では、「取締役会規程」及び「取締役会決議一覧表」を定め、法令において取締役に委任することができない旨定められた事項のほか、経営の基本方針や中期経営計画、年度事業予算などを取締役会において決議すべき事項として定めております。
また、その内容に準拠して「職務権限規程」及び「職務権限一覧表」を定め、会社の業務執行に関する各職位の責任と権限を明確に定めております。
原則4-9「独立社外取締役の独立性判断基準及び資質」
当社の取締役会では、独立社外取締役となる者の独立性については、会社法及び東京証券取引所が規定する独立性に関する基準に基づいて判断しております。
補充原則4-11-1 任意の仕組みの活用
当社は、取締役の選任・解任及び取締役の報酬の決定等に関する事項について、手続きの透明性及び健全性を確保するため、取締役会の諮問機関として、「指名・報酬委員会」を設置しております。
補充原則4-11-2「取締役・監査役の兼任状況」
当社では、取締役・監査役の重要な兼任状況については、株主総会招集通知(事業報告)及び有価証券報告書等において毎年開示しております。
補充原則4-11-3「取締役会の実効性についての分析・評価」
当社は、定期的に取締役・監査役へのアンケートを実施し、その結果を基に取締役会において取締役会の実効性評価・分析を実施しており、取締役会の実効性は確保できていることを確認しております。
補充原則4-14-2「取締役・監査役に対するトレーニング方針」
1当社は、新任取締役及び監査役に対して、当社の事業や組織等の知識の習得を支援するため、事業内容や経営戦略などの説明のほか、物流センター等の事業拠点の見学を実施しております。また、取締役及び監査役に求められる役割と責務(法的責任を含む)その他必要な知識の習得を支援するため、外部教育訓練を斡旋し、その費用を負担しております。
原則5-1「株主との建設的な対話に関する方針」
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(1)推進体制
管理本部経営企画室をIR担当部署として、株主等との建設的な対話を促進しております。
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(2)関連部署との有機的な連携のための方策
IR担当部署は、重要な社内会議への出席などにより経理部、総務部、業務部、各営業部門等と日常的に情報交換を行い、株主等との建設的な対話を促進するため関連する部署と有機的な連携を図っております。
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(3)個別面談以外の株主等との対話手段の充実に関する取組み
アナリスト・機関投資家向け決算説明会やスモールミーティングを定期的に開催するとともに、逐次、個人投資家向け会社説明会等を開催し、原則として、代表取締役社長が説明を行うことで株主等との対話手段の充実に取り組んでおります。
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(4)効果的なフィードバックのための方策
IR担当部署は、株主等との対話において把握した株主の意見・懸念等について、必要に応じて、取締役会に報告することとしております。
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(5)インサイダー情報の管理に関する方策
決算日の翌日から決算発表までの期間はサイレント期間とし、投資家の皆様との対話を制限しております。
コーポレート・ガバナンス体制
体制の概要
a取締役会
取締役会は取締役8名(うち社外取締役2名)で構成されており、原則として月1回の定例取締役会を開催しております。また、必要に応じて随時臨時取締役会を開催しております。取締役会は、経営基本方針、経営計画、予算編成、その他重要な経営課題事項を協議決定しており、月次業績等の重要な報告も行っております。
b監査役会
当社は会社法第328条第1項の適用を受けておりませんが、監査役会を設置しております。監査役会は、原則として月1回開催されており、監査役3名(うち社外監査役2名)で構成され、コーポレートガバナンスのあり方とその運営状況を監視し、取締役の職務の執行を含む日常的活動の監査を行っております。社外監査役のうち1名は公認会計士・税理士であり、その専門的な観点より経営監視を実施しております。監査役は、取締役会へ出席することにより、議事運営、決議内容を監査し、積極的に意見表明を行っております。また、内部監査室長および会計監査人である監査法人と連携しながら、法令及び社内規程の遵守状況について監査を実施しております。常勤監査役は監査計画に従い、経営計画の遂行状況と、これを推進する経営組織の実情等を監査しております。また、重要な経営会議への出席や営業所への往査など実効性のあるモニタリングを通じて、組織の課題点を確認しております。
c内部監査室
当社は代表取締役直轄の部署として内部監査室を設置し、定期的に内部監査を実施しております。内部監査は、当社が定める「内部監査規程」に基づき当社及び子会社の業務運営及び財産管理の実態を調査し、諸法令、定款及び社内規程への準拠性を確認し、誤謬、脱漏、不正等の防止に寄与しております。
d経営会議
当社は、社長、取締役、監査役、本部長、事業部長及び部長をもって構成する経営会議を設置しております。経営会議は、原則として毎月1回開催され、取締役会に報告すべき月次業績の審議及び取締役会に諮るべき重要な経営課題の審議並びに取締役会から諮問または委託された重要な経営課題の策定を主務としております。また、当社及び連結子会社の中期経営計画に基づき策定された「3ヶ年中期経営計画」及び、この計画を具体的に遂行するために策定された「単年度予算」の運用に関する基準と諸手続を規定し、予算編成および実績を審議しております。
e指名・報酬委員会
指名・報酬委員会は、取締役会の決議により選定された取締役・監査役である委員3名以上で構成し、その過半数を独立役員としております。取締役会の諮問に応じて、指名・報酬委員会を開催し、取締役の指名及び報酬等に係る取締役会の機能に対し、独立役員の適切な関与・助言を得ることにより、独立性・公正性・客観性と説明責任を強化し、当社のコーポレート・ガバナンス体制の一層の充実を図ることを目的としております。
コーポレートガバナンス体制(2022年11月15日現在)
リスク情報
当社グループにおける投資判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
(1)業績変動リスク
当社グループの主要販売商品である切削工具は、自動車業界が主要なユーザーであり、当社グループの業績は同業界の設備投資動向及び生産動向に強く影響を受けております。従って、今後の同業界の業況変化による商品需要の大幅な変動が、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。当社グループでは、国内では、耐摩・光製品のセグメントへ展開を進めることで特定の業界(自動車業界)への依存度を低減させてまいります。海外では特定の地域(主に日本と中国)への依存度を低減するため、進出国・拠点を増やすことでリスクを分散してまいります。なお、現時点において新型コロナウイルス感染症による顧客企業の工場の操業停止や当社のサプライチェーンに大きな影響は生じておりませんが、今後再び全世界的に拡大した場合や、ウクライナをめぐる国際情勢の不安が拡大した場合に、当社グループの経営成績及び財政状態に重大な影響を与える可能性があります。
(2)金利変動リスク
当社グループの有利子負債には、変動金利条件となっているものがあります。当社グループでは、金利変動リスクを回避する目的で、有利子負債の短期から長期への転換や金利スワップ取引を利用しておりますが、今後金利が上昇した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(3)取引先与信のリスク
当社グループは、与信管理の徹底を図り、不良債権発生の未然防止に努めておりますが、今後の景気動向等によっては想定を超える取引先の信用状態の悪化等が生じる可能性があり、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
当社グループでは、取引先ごとに与信額を設定するほか、1年ごとに信用調査会社のデータをもとに与信の一括見直しを行っております。また回収遅延資料を毎月作成し、不良債権を適宜モニタリングしております。なお、新型コロナウィルス感染症による取引先からの支払に影響は出ておりませんが、今後再び全世界的に拡大した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(4)商品在庫に関するリスク
当社グループは、特に切削工具については多品種の在庫を有しており、お客様への即時納品体制を確立しています。今後、市況の変化によっては過剰在庫となり商品評価損が発生し、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
当社グループでは、継続発注は販売実績データに基づく適正発注量決定システムでの運用等を行い、新規発注は販売計画に基づく発注量を決定しリスクを低減しております。
(5)災害・事故によるリスク
地震等の自然災害や人災・事故などにより、当社グループ及び取引先の営業拠点や従業員が被害を受ける可能性があります。これに伴う売上高の減少、物流機能の麻痺、営業拠点の修復又は代替のための費用発生等が、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。なお、新型コロナウイルス感染症の影響により、当社グループの財政状態および経営成績に影響を与える可能性があります。
当社グループではあらゆる災害・事故によるリスクに備え、大阪、名古屋、北関東の3つの物流拠点を確立し、流通への影響を低減しております。また、「Cominix On-Line」による非対面販売の実施に加え、2020年10月から連結子会社さくさく株式会社においてeコマース事業の本格的に参入いたしました。またグループ内の取り組みといたしましては、グローバルな相互補完体制を構築する事業継続計画(BCP)の策定、在宅勤務の推進に支障が生じる業務プロセスの見直について継続的に整備を取り組んでおります。
(6)仕入先に係る代理店契約の解消・終了に関するリスク
当社は住友電気工業株式会社と特約販売契約を締結しております。当社は同社と1954年8月に特約販売契約を締結し、同社が製造する切削工具等を中心に事業を展開してまいりました。当該契約書には対象となる製品、販売地域、支払方法及び解除事由等が記載されております。
現在、当社と同社とは良好な関係にあるものと認識しておりますが、当社と同社との関係に変化が生じた場合、あるいは同社の特約販売戦略や特約販売店各社に対する諸条件もしくは当社に対する戦略が変更された場合等には、上記特約販売契約の内容等に変更の可能性があり、その場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。また、現時点では解除事由を含めて当該契約の継続に支障を来す要因は発生しておりませんが、当該契約の継続に支障を来す要因が発生した場合には、事業活動に影響を与える可能性があります。
(7)海外事業に関するリスク
当社グループは積極的に海外での事業展開を図っておりますが、進出しております各国における市場動向、競合会社の存在、政治、経済、法律、為替などのリスクによって、今後の事業戦略や当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
また海外取引の拡大に伴い、税率、関税などの監督当局による新たな規制などにより損失や費用負担が増大する恐れがあり、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
当社グループでは、海外展開を図る場合には、事前の徹底した情報収集をもとに事業計画を立案し意思決定するとともに、経営環境等の変化により事業計画の見直しの必要性が発生した場合には、撤退も含めて早急に対応を検討する体制を構築しリスクを低減しております。
(注)新型コロナウイルスによる影響については、(1)業績変動リスクの記載参照
(8)為替変動によるリスク
当社は外貨建てによる輸出入取引を行っておりますので、大幅な為替変動が生じた場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。また、当社グループは海外に現地法人を有しており、外貨建ての財務諸表を作成しておりますので、連結財務諸表の作成にあたっては、これらを日本円に換算する際の為替レート変動に伴う換算リスクがあります。
当社グループでは、外貨建の仕入に対する為替リスクについては、通常の為替変動であれば粗利益を調整し、異常な為替変動があれば、販売価格の改定を行うことでリスクを移転しております。
(9)退職給付債務に関するリスク
当社では確定給付型の退職金制度を採用し、一部を確定給付企業年金制度で運用しておりますので、退職給付債務を計算する前提条件の変更などが、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。なお、当社は確定拠出型企業年金制度を導入し、前述のリスクの低減を図っております。
(10)システム障害の発生によるリスク
当社では販売チャネルとしてオンライン発注システム「Cominix On-Line」の構築と、eコマース事業として切削工具専門通販サイト「さくさくEC」を立ち上げており、システムの安定稼動の維持に努め不測の事態に備えた対策も講じておりますが、自然災害や事故、サイバー攻撃等によるコンピューターシステムの停止や通信ネットワークの切断、不備による誤動作、不正使用、不正アクセス、コンピューターウイルス等に起因して当社グループの業務に支障が生じた場合には、大きな信用失墜と機会損失に繋がり、当社の経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
当社グループでは、サーバーのセカンダリ確保を行い、システムのデータバックアップの徹底を図っております。また外部からの攻撃に対しては、ファイアウォール装置の導入するなどリスクを低減しております。
(11)レアメタル原材料(タングステン)不足や価格上昇によるリスク
当社グループの主要商品である超硬切削工具に使用されている原材料(タングステン)は、切削工具製造メーカーがその調達のほとんどを中国からの輸入に依存しているため、中国の政治・経済情勢等の変化、法律の改正、紛争、自然災害、伝染病の流行等の不測の事態により原材料(タングステン)が調達できなくなった場合や、その原材料の著しい価格上昇が発生した場合には、当社の販売活動に影響が生じ、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(12)特定の業界に依存していることに起因するリスク
当社グループの耐摩工具事業は、連結営業利益に占めるセグメント利益の割合が高く、同事業の販売先では国内製缶業界向け製缶工具の割合が高い状況となっております。
今後とも製缶工具の販売で培った技術力やノウハウを活かし、同業界向け製缶工具の安定的な取引の確保に努めてまいりますが、同業界における技術革新や市場動向等によっては、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
当社グループでは、国内製缶工具の販売で培った技術力やノウハウを活かし、海外の製缶業界への販売及び国内の製缶業界以外への販売を進めてまいります。